「うつ」と生きる

wataru-w2008-06-12

 IT業界はうつ病の人が多い業界だそうです。わたしの会社にも何人か苦労している人がいますね。現にわたしも、もう少しで、病院のお世話になる寸前でした。病院が混み過ぎていて、予約は数ヶ月先までいっぱい。。。仕事が忙しすぎて行けない。。。そうこうしているうちに、どうにか、自分で治せたようです。軽度のうつ病だったと思っています。
 このような話しを書こうと思ったのは、うつ病のリハビリをしている「同期」を間近に見ているからなんです。彼とは数年前まで一緒にシステム開発を行っていたんですよ。責任感のまぁまぁ強い男で、まじめな2児のお父さんなんです。彼は数ヶ月間休業していたんですが、最近やっと、良くなってきたようで、リハビリも兼ねて、数時間会社に出社するようになりました。そんな、彼に、読まれる事は無いと思いますが、伝えたい事を書いておきたい。と、いう事で、この記事を書きます。

 まず、うつ病ですが、それはそれは奥が深い。。。うつが治ってから、十数冊うつ病の本を読みました。せっかくなので、まとめてみますね。

  1. 誰でもうつ病になる可能性がある(わたしも自分だけはならないと思っていました)
  2. 自分ひとりでは治せない。必ず病院に行くべき。
  3. 突然死にたくなる。
  4. 自信が無くなる。
  5. 治るまでに時間がかかる
  6. 言葉に弱い

 私は、幸いなことに、うつ病が進行する前だったのでしょうか?病院にも行かずに、どうにか治りました。ただ、こんなのは、稀な事のはずです。必ず、病院に行ってください。行かせてあげてください。
 うつ病の人は、死にたがります。誰にも迷惑をかけないで、黙って、行動する場合も多いという事です。奥さん(旦那さん)は敏感に気が付いてあげないと、手遅れになるかもしれません。わたしも、どうやって死のうか?そんな事ばかり考えていました。死ぬ勇気が無かったのが幸いしました。
 それに、相手に迷惑をかけたくない一心で離婚をしようとします。「うつ病」の間は、重要な決定を一切すべきではありません。

 ところで、うつ病ってどんなもんだと思いますか?比喩が難しいのですが。。。
 例えば、自分の体がネジだとしますよね。健常体であれば、頭というドライバを回してあげると、体のネジも回ります。でも、「うつ」になると、ネジが回らないんですよ。いくらやっても。ねじ山が馬鹿になったような感じですね。いくら力を入れても回らなくなります。そして、頭も疲れちゃいます。一番厄介なのは、本人が、ねじ山が無い(滑っている)ことに気が付かないんですね。忘れ物なんかした事が無いのに、一番重要な時に忘れ物をしてしまったりとか。。。自分でも何でだかわからないんです。
 もうひとつ例をあげると、健常体の時は、アンパンのようなものだと思ってください。餡が頭です。でも「うつ」になると、ドーナツになっちゃうんです。考えられない。身体と頭が分離しちゃうような感じですね。。。
 どういうときに起きると思いますか?
 わたしもそうなんですが、仕事が忙しくて、仕事に責任を負っている時。プレッシャーがかかっているような時です。身体に疲れがたまりますよね。同じように心にも疲れがたまります。身体の疲れって、実は1,2週間は休まないと、疲れが取れません。心の疲れは、もっと時間がかかります。身体の疲れと違って、心の疲れは、自分も周囲の人もなかなか気が付きません。症状にもよると思いますが、半年から1年以上は何もしないで、休養すべきです。
 ただ、これが、また、問題をややこしくする原因なのですが、「うつ病」の時は、我慢が出来ません。もう、治ったんじゃないか?と勝手に思って、薬をやめたり、会社に出てみたり。そんなに簡単に心の疲れは取れないんですよ。周囲の人に迷惑をかけたくない一心なのでしょう。家計としても大変です。家のローンなんかがあると、それは、面倒です。人を信じられなくなるという事もあります。家族、医者、友達。何も信じられなくなります。自分も信じられないんだから許してあげてください。
 それに、エッチな事を考えたくもなくなります。もう、今からは考えられないくらいなんですが、本当です。これは、「うつ病」を見る時に参考になるかもしれませんね。単に浮気しているだけかもしれませんが。。。
 と、いうように、「うつ病の人に頑張れと言っちゃ駄目」なんて、簡単な事じゃないんです。こんなに大変な病気なんです。と、周りの人に言う機会も無く、IT業界に「うつ病」が広がっていきます。。。予防に関しては、後日、投稿します。もし、近くに「うつ病」の人がいたら、ゆっくり、あせらないで付き合ってあげてください。言葉はいりません。暖かく迎えてあげましょう。プレッシャーもかけないで、心が本当に休息できるまで、みんなで協力してあげよう!!
 と、思って、見ています。同期の○○!!安心して、会社では守ってあげるから。。。「うつ」になる前の自分には戻れません。一生、だましだまし、「うつ」と一緒に生きていく。これも、大変だけど、○○ならきっと出来るよ。